枕草子はいかが? その2

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    『枕草子』二十八段は、「にくきもの」

    おおー、相変わらず清少納言サマは、今日も尖ってる!
    …と思う人もいるかもしれないが、
    この当時の「にくし」は、憎悪を燃やすような感情ではなく、「不快なもの・いやなもの・しゃくにさわるもの」という程度のもの。
    チェッ!と舌打ちするぐらいの感じかなあ。

      にくきもの、
      いそぐ事あるをりにきて、ながごとするまらうど。

    「ながごとするまらうど」とは、長居をする客のこと。
    うっ…たしかに、いる。
    こんな「まらうど」身近にいる。
    この原稿を今日中に書き上げないと大変なことになる〜ッ!
    という修羅場の日を選んだようにやって来て、「いつきちゃ〜ん、ケーキがうまく焼けたから、お茶しにきたワ〜」と言いつつ、我が家の紅茶をサッサと自分で淹れ始める旧友S。

      あなづりやすき人ならば、「後に」とてもやりつべけれど、
      さすがに心はづかしき人、いとにくくむつかし。

    「あなづりやすき人」とは、いい加減に扱ってもよい人。
    「心はづかしき人」とは、こちらが気恥ずかしく感ずるような人。つまり、ちょっと遠慮を感じる人って、ニュアンスだ。
    ちなみに、旧友Sは、完全なる「あなづりやすき人」なので、きっぱり言う!

    「なんで毎回毎回、忙しい時を選んで来るんや〜……もう長い付き合いなんやけん、ワタシが甘いケーキ嫌いっちゅーことぐらい覚えてくれても良さそうなもんやろ……覚えとんやったら、いちいちウチに来んと自分とこの猫と一緒に食べたらエエやんか……猫しゃべらんでも、アンタが猫の三倍しゃべっとる……なーんで貰うたばっかりの上等な紅茶に手ぇ出すん?!……アンタは、○東のティーパックで上等ぢや!」

    ここまでワタシに言わせるのだから、彼女は筋金入りの「あなづりやすき人」である。

    …が、彼女は投げ付けられる全ての言葉を、
    柳に風
    糠に五寸釘、
    流し素麺にフォーク?
    …の態度で聞き流し、自分が焼いてきたケーキを一人で食べ、上等なほうの紅茶を勝手淹れ、原稿を打つワタシの傍らでしゃべりたいことをしゃべり続け、「読みたかった!」という本をワタシの本棚から探し出し、そのうち二冊を携え、悠々と帰って行った。

    筋金入りの「あなづりやすき人」は、同時に最強の「侮(あなど)りがたき人」であった…を、を、涙の締め切り日である。

    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
    ※本ブログの「枕草子はいかが」シリーズは、岩瀬文庫蔵、柳原紀光筆本を底本とする岩波書店刊『日本古典文学大系』を基本資料としています。

    コメント
    にくきもの
    「あんた、ゴキブリまだ生きてるやんか!」と、言うオバハン、充分死にかけてますがマダム。
    「最近、隣の家から蝿が飛んでくるのよ!」
    お隣りと限定する科学的根拠が欠落しておりますが、奥さま。
    「ダニがいるのダニが!」見たのですか?「見なくてもそうに決まってるでしょ!」
    決まってません、お嬢様。なんとかしてくれえぇぇ!
    • 理酔
    • 2008/08/22 9:00 PM
    にくきもの
    前を行くノロノロ車。

    わたしゃスピード狂ではないし、無事故無違反品行方正(ちぃと嘘)だが、せっかちなので、前がノロいとイライラしてしまう。
    車のフロントグリルから大きなゴムの手がニョキーッと伸びて前の車を押すことができる・・・そんな装備が欲しい。

    だいたいそんなノロ車に限って、信号が赤に変わろうとしてるのに止まらずに1台だけ悠々と行ってしまう。金魚のフンみたいにくっついて走らされた後続車は皆置いてけぼり。をい!
    • はっさく
    • 2008/08/22 11:57 PM
    にくきもの
    苦情相談と人生相談を勘違いしている貴方。
    苦情相談だか人生相談だかわからん話を延々。
    怒ると逆切れされるし、他の用事があるっていっても、「私の話がきけんのか」って言われ、半日の仕事をキャンセル。
    おまけに最後になって、「暇な職場ね・・・」といわれる貴方。
    貴方がお暇なのでは。。
    おかげで、大切な会議が、仕事がキャンセルしたのに。
    あなたはイタチか〜〜最後っぺ〜
    • 稲穂
    • 2008/08/23 8:34 AM
    にくきもの

    「またお熱がでました?」と言ったら、

    「センセイが『また』と言ったあ〜。センセイは患者の気持ちがわからん〜。つめたい〜。」とわんわん泣き出す40代女性。待合室まで走り出して人のいっぱいいるところで、おお泣き。
    すみません。すみません。失言でした。そんなつもりはなかったんです。。。。。あ〜かんべんしてホシイ。。。
    • とりとり
    • 2008/08/23 3:27 PM
    にくきもの

    今朝の事でございます。山間のこの村の星が朝の空にバトンを渡す頃の事でございます。庭と言えば庭と言へる我家の庭先で突如けたたましい音がしたのでございます。山間とは言へこの猛暑ゆえに窓という窓は全開でございます。そこへ2間も離れておらぬ物干し竿からのそのけたたましい声。そやつは「か〜〜なかな」とたつた一声の大音響を残し飛び去っていったのでございます。そうでございます。「ひ・ぐ・ら・し」でございます。時計を見ると4:50。愛犬はその大音響で持病のPTSDが悪化し部屋中をおろおろ徘徊し始めますし、妻は心臓が騒ぎ出したと訴えますし、それはそれは、今日一日の我家の行く末をいとも簡単に想像させる出来事でございました。おかげさまで会議で居眠りを続け、自ら更に窮地に立ったのでございます。       かしこ
    • めろ
    • 2008/08/23 11:29 PM
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